よく聞くんですよね。
この「振り分け負け」って言葉。
有名どころのYouTubeとかが当たり前のように使うから、一般ユーザーは勘違いしているんじゃなかろうかと思うのです。
中身を少し知っていれば、この振り分け負けって言葉の多くが誤用。
というか認識違いをしていることはスグに分かるんですけどね。
知っていて、説明がメンドクサイとか、その方が伝わりやすいから、あえてこの言葉を使っている場合もあるとは思いますが。
この振り分け負けって言葉がなぜ誤用の場合が多いのか。
知っておいて損はないですよ。
そもそも振り分けは存在しない
言葉のあや。
と言ってしまえばそれまでな所もありますが。
パチンコには基本的に振り分けは存在しません。
振り分けであるなら、最初に当たりを引いた後、決められた比率によって確変や通常に分ける。
つまり、最初の段階では同じものである。
という認識になってしまいます。
が、パチンコにおける当たりは、全て別物。
例えば、1/100で大当たり、確変と通常が1:1の機種の場合。
振り分けであるなら、まずは1/100に当選。
この瞬間は確変か通常かまだ決まっていない状態。
この乱数を取得した後、もう一度内部で1:1の抽選を行って確変か通常かを決定する。
これであれば、振り分けという言葉を使うのが正解です。
ですが、実際はこうではありません。
実際は1/200の確変と通常当たりの乱数があり、1回転でこのどちらかを引く確率が1/100。
つまり、最初の段階から確変と通常当たりは全くの別物。
振り分け、すなわち2段階の抽選を行っているわけではありません。
基本的には損をしているわけではない
例えば、北斗無双で確変(ST)と通常の割合は1:1とされています。
で、よく通常の方を引いたら
「なんで通常なんだよ」
「振り分けに負けてるよ」
と文句を言っている人がいますが、これは大きな間違い。
確率的には一緒なんだから、確変の方を引いてくれ。
という気持ちは分からないではありませんが、文句を言うのはお門違い。
だって先述の通り、全くの別物を引いているわけですからね。
通常であっても900発程度の出玉と時短が100回。
これを貰えるだけハズレよりはどれだけ良いか。
こうした本来中身を理解していれば文句を言うべきことではない部分で勘違いしていると、必要の無いストレスを自分で勝手に生み出すことになります。
これはST中も一緒。
北斗無双ならST中は約1/83ぐらい。
メンドクサイので8ラウンドは無いものとして考えると、4と16は1:1。
つまり、1/166の乱数が2つあるから1/83で何らかの当たりが引けて、引けることでSTが130回に回復するわけです。
ST機の場合はそのシステム上、何ラウンドの当たりであっても全てありがたい当たり。
「4ラウンドだけ5回引いてSTが終わった。おかしい、振り分け負けし過ぎ」
みたいなことを言う人は非常に多いですが、バカなのかな?
それは振り分け負けでも何でもなく、単純に1/166の16ラウンドが引けなかっただけの話。
その文句を言ってる4ラウンドが引けていなければ、とっくの昔にSTは終わっているし、2,500発程度とは言えその出玉を得ることすらも出来ていないわけです。
スペック別で考えてみる
ST機の場合
どんな当たりであっても、引いた当たりは全て嬉しいもの。
唯一、ザンネンに感じるとすれば、電チューでのST突入率が100%ではない機種の場合。
この場合は、あまりにも早い回転数で通常を引いてしまうと、理論上も少し損になります。
とは言え、その当たりが引けなければ、出玉ナシでSTを駆け抜けている可能性もあるわけで。
一概に損した。
とは言い切れないですね。
確変次回・転落式の場合
これは別のスペックの様に見えて、中身的にやってることはさほど変わりません。
例えば、確変中の当たり確率が1/50。
確変継続率が80%の機種の場合。
この場合は、1/62.5で成立する確変フラグを、1/250で成立する通常フラグより、いかに早く多く引けるかのゲームです。
ね、やってることは次回まで継続でも転落式でも一緒。
時短回数にブレが出たり、転落式の場合はタイミングによっては時短が0になったりする違いはありますけどね。
この場合は、確かに引き損はあります。
あまりに早い段階で1/250を引いた場合や、1/62.5で5倍とかハマる場合です。
であったとしても、これはあくまでもどっちを先に引くかゲーム。
こちらも当然、振り分け負けではありません。
1/50を引いた後、20%で通常、80%で確変としているわけではありませんからね。
昇格という言葉も嫌い
ことのついで。
「わ~、確変に昇格した~」
「わ~、16ラウンドに昇格した~」
とかの表現も大間違い。
そもそも、ラウンド数もそれぞれ別のフラグであり、別の当たりです。
当たりを引いた後、ラウンド数を2段階抽選で決めているわけではありません。
さらに、この昇格演出は当然ただの演出なので、単なる事後報告。
その演出が発生しなくとも、内部で決められたラウンド数が変更することはなし。
正しくは
「もともと〇ラウンドでしたから、昇格演出が発生しましたね」
「もともと確変乱数だったので、昇格演出が発生しましたね」
が正解。
もっと言えば、この昇格云々に関しては、本来触れる必要もなし。
だって、セグのパターン見れば分かるからね。
他でも書いてますが、パチンコに演出は本来必要なし。
右か左下辺りにあるセグだけで、パチンコの当否や確変か通常かは全て把握可能で、完結しているんですからね。
スロットの場合は振り分け負けもある
スロットの場合は、メイン基板で成立役を抽選した後、その成立役と成立状態に合わせて結果を振り分ける場合もあります。
ATの上乗せゲーム数とかがそれにあたります。
なので、スロットので強チェリーを引いて、その際の上乗せゲーム数がサブ基盤でテーブル管理されている場合などでは
「振り分け負けした~」
という表現は正解です。
ジャグラーなどボーナスタイプの場合は違います。
BIGとREGは完全に別乱数ですから、こちらもパチンコ同様に引き損や振り分け負けはありません。
まとめ
最初に書いたように、これはあくまでも言葉のあや。
だったり、細かすぎる話なのかも知れません。
ですが、その間違った言葉の使い方を、影響力のある人がさも事実であるかの様に吹聴すると、知識の無い人は事実誤認をしてしまいます。
その影響力のあるYouTubeなどが、単純に知識不足である場合も少なくないでしょう。
彼らの一部は、あくまでもただのピエロ。
いかに楽し気に騒げるかどうか? が職業ですから。
とは言え、その行為は詐欺の片棒を担いでいると言ってもいいかも知れません。
入り口で誤認すると、後から考えを正すのは難しくなります。
そして、その間違った知識というのは、多くの詐欺師(情報商材屋)が突いてくる部分です。
事実を事実として、正しく伝える。
それがメディアに出る側(作る側)の人間が最低限気を付けるべきこと。
正しい知識を持つことで、こうした輩の発言を鼻で笑い飛ばすことも出来るようになりますし、必要の無いストレスを溜めることも無くなりますよ。