「パチンコ台の上、データカウンター部分には小さいカメラが付いていて、顔認証システムによって出玉が操作されている」
「ホールの防犯カメラは顔認証システムを搭載しているから、それを利用して出玉の操作を行っている」
などなど、まことしやかに言われているパチンコ屋の顔認証システム。
結論から言うと。
「パチンコ屋に顔認証システムは存在します」
が、これは決して出玉の操作云々の話ではありません。
遠隔信者やその他のあらゆるオカルト信者同様いくら言葉を尽くしても、
「顔認証システムで出玉を操作されている」
と信じ込んでいる人には馬耳東風でしょう。
なので、信じる信じないはアナタの自由です。
ホールで働いていた私の実体験に基づく、パチンコ屋の顔認証システムの実態について書いていきますよ。
パチンコ屋の顔認証システム
「パチンコ 顔認証システム」
で検索すると、1位に表示される記事。
間違ってない部分もあるし、大間違いの部分もあります。
顔認証システム云々の前に、この記事に書いてある面白い部分。
「・・・それが一体なんになるの?」
って部分を抜粋してみます。
・スロットならCEが立て続けに起こったり
・近隣のホッパーを抜きに来たり
うん、そりゃするよね。
サンドにカード入れなきゃ、というかカード0だと現金を受け付けないから入金出来ない。
CEってのはセレクターエラーだと思うけど、セレクターエラーが頻繁に起こるからなに?
近隣のホッパーを抜きに来る。
・・・ホッパー抜いたら機械が動ない。
機械によっては動くは動くかも知れないけど、色々とよろしくない。
まぁ、ホッパーのメダルを抜きに来るってことだろうけど、これは島単位でメダルの総量を調整しないと払い出しメダルが足りなくなったりする不具合が起こるから。
セレクターエラーは何が言いたいのかそもそも意味不明だけど、残りの2つは単純に
「お客に快適に遊戯させるための行為」
であって、それが出玉操作に繋がるとかの話では一切ないです。
本当に、実際にホールで働いてから物を言え。
で、そんなのが検索1位ってのもどうかと思う。
このブログの読者さんなら、当然こんなバカげた話は歯牙にもかけないでしょうが、騙されない様にしてください。
ここからは顔認証システムの話
さて、本題の顔認証システム。
確かに、パチンコ屋には顔認証システムがあります。
これは防犯カメラに搭載されている場合がほとんど。
データカウンターなどには付いていません。
で、当然ですが遠隔操作などもしていないです。
遠隔に関しては以下の記事でガッツリと触れていますので、これを読んだらついでにどうぞ。
「遠隔に使わないなら、なんに使ってんの?」
となるでしょうから、実際にパチンコ屋の顔認証システムがどんな用途で使われているかを解説していきます。
防犯対策
昔に比べればかなり治安が良くなりましたが、それでもパチンコ屋はなかなかの場所です。
実際にホールで働いていた時、置き引きやカードの抜き取りなどの窃盗事件を何度かこの目で見ていますからね。
ケンカ騒ぎは数件ほど。
まぁ、なんにしろ犯罪は起こりやすい場所です。
事件が警察沙汰にまでなれば、当然証拠資料として防犯カメラの映像を提出する。
なんてこともあります。
こうした事件や騒ぎを起こした人物が再度来店した際にマークしたり、場合によっては退店をお願いしたりする場合に顔認証システムを活用するのです。
また、パチンコ屋ならではの防犯という意味では、
・他店の玉、メダル持ち込み
の対策に顔認証システムを使います。
特にゴト師ですね。
ゴトは窃盗罪、もしくは建造物侵入罪、器物損壊罪の場合も。
しかし、基本的には現行犯でなければ立件が難しいです。
そのため、ゴト師を顔認証システムで追尾します。
基本的にはゴト師として登録された人は入店した時点で顔認証システムでマーク。
そのまま退店、入店拒否に持って行くこともあります。
他店の玉やメダル持ち込みも窃盗罪が適応される犯罪です。
プロ対策
プロとして、そのホールで勝ち続けると顔認証システムでマークされる場合も。
この許容範囲はホールによってまちまちです。
パチンコの場合、基本的に各台の出玉率(出玉状況)がホールコンによって管理されています。
これは出玉を操作する。
などの管理とは全く別物です。
・千円あたり20回転
・出玉は5%減
・電サポ中は3%減
みたいに、各台ごとにどのぐらいの出玉率になるかを釘によって調整しています。
初当たりや連荘回数などには一切関与しません。
それをやると一撃で犯罪です。
設備導入に数億以上、バレれば一発で営業取り消し。
リスクリターンが全く合わない愚行。
ちょいと逸れましたね。
例えば上の例で電サポ中の3%減の部分。
ここをプロや上手い人が打つとプラマイ0や数%増にします。
これはホールコンからすると異常事態。
となるとホールコンはアラートを出し、ホールの防犯カメラはズームになります。
ホールの防犯カメラは相当に高性能。
打ってる人の手元まで丸見えですから、止め打ちや捻り打ちは即バレます。
こうしたプロや上手い人と判断された人を、要注意人物として顔認証システムに登録。
その人の打ち方を許容するか否かはホール次第。
大体は以下の4パターンになります。
・注意だけで終わる
・出玉交換後、退店(出禁)
・出玉没収後、退店(出禁)
注意だけの場合も、顔認証システムでバッチリマークされる様になるので、繰り返していれば下の2つに移行する場合が多いです。
基本的にパチンコがギャンブルでなく遊技として通るためには、技術介入が必要になるのですが、最近ではこれが容認されないことも多くなりました。
ゴトは直で犯罪ですが、プロや上手い人もホールからすれば迷惑な奴です。
顔認証システムを使い、こういった人をマークすることで自分たちの利益を守りやすくする。
そのために顔認証システムを使っているわけですね。
ちなみに、スロットもホールコンで出玉管理していますが、アラートはゴト以外では出ないと思います。
ホールで働いていた時、北斗救世主でゴトを見つけたんですが、その時も事務所から何の連絡も来ていませんでしたから。
まぁ、出玉的な被害が出る前に見つけた、というか悪さはしたけど失敗していたので、アラートが出なかっただけって話もありますけど。
ホールコンについて、より詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
マーケティング
これは色んなアミューズメント施設で使われているのと一緒。
男女や年齢層などの統計を取り、自店の客層をチェックすることで導入する機種などを決める際の一助にすることもあります。
・・・まぁ、上手く使えてない方が多いと感じるのが実情ですが。
顔認証システムを気にする必要はない
パチンコ屋の顔認証システムが出玉管理などには一切関与していないことは説明してた通り。
専業ではなくなった私。
今では基本的に近所の中堅ホール1店舗のみで立ち回っています。
3.6円(5.6枚)交換、貯玉無制限の店です。
現状はいくらか換金したので減っていますが、パチンコの貯玉が約7万発で貯メダルが1万2千枚ぐらいはあります。
「証拠を出せ~!!」
と騒ぐ人も居るでしょうから、たまには写真を載せてみます。
はい、これが何の証明になり、慰めになるのか皆目見当もつきませんが。
こんな感じで、1店舗でジグマをしても出玉操作なんて食らいません。
これだけ勝っている(換金した分を含めると1年で200万以上)わけですから、いわゆる顔認証システムに登録されている可能性は高いでしょう。
しかし、私は先に書いたように
「で、出玉操作されとるで~!!」
なんて感じたことは一度もありません。
この店は技術介入に関してもなんらお咎めなし。
本当のプロはこうしたホールを見つけることが仕事であって、
「出禁になりました。ほら、自分プロなんで!」
みたいに出禁になったことを臆面も無く公言している人は3流と思って大丈夫です。
出禁を食らった時点で、本当のプロなら恥ずかしいと感じなければ嘘。
なんにしろ、パチンコ屋は顔認証システムで出玉の操作なんてしてません。
少なくとも、そうしたことを気にするのは私以上の収支を年間トータルで、1店舗から上げた人だけです。
そんな人は顔認証システムで出玉操作。
なんてバカなことは、そもそも口にしませんけどね。
まとめ
いつも書きますが、あくまでも私の実体験(経験)を基にした話。
全国のホールを知っているわけじゃないですし、警察や保通協、遊技機や周辺機器メーカーの全ての内情を知っているわけでもありません。
そして、それらが全て清廉潔白で、あらゆることを世間に詳らかに明かしている。
なんてなことも一切思いませんし、ユーザーの皆さんは常に疑ってかかるべきだと強く思います。
が、こと顔認証システムに関して。
特にそれと連動しての出玉操作は99%あり得ない。
そう思ってもらって問題ありません。
少々辛辣な言い方ですが、パチンコ・スロットでトータル負けるのは、全て自己責任です。
遠隔やホールコン制御。
顔認証システムによる操作。
これらを疑うなら、これを実現させるためにどれ程のリスクがあり、それをすることでどれだけのリターンが得られるか。
そうしたことを勉強してからにしてください。
負けた理由を転嫁するために使うのは単純に幼稚でダサいので、止めときましょうね。