二物二価とはなんぞ?パチンコ業界の明るい材料となるか

コラム
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二物二価が2020年11月より、大阪府警の管轄内で認められたようです。

この二物二価ってのは、完全なるパチンコ業界の造語。
そんな単語は広辞苑には載ってません。

なもんで、今回はこの二物二価とはなんぞ?
ってな話をしていこうかと思います。

あ、一物一価に関して分からないと、二物二価もなんのこっちゃになる気がするので、イマイチ一物一価が分からない人は、先に以下の記事を読んでみてください。

一物一価ってなに?パチンコ業界では悪の権化でしかない
一物一価は経済学の観点からも、自由経済の阻害を引き起こすものだと思っています。 そんな一物一価ですが、ことパチンコ業界に於いては「悪の権化」としか感じることが出来ません。 一物一価の基本的な考え方から、その問題点まで書いています。
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二物二価とは?

パチンコ業界における一物一価を簡単に説明すると。

パチもスロも、同じ交換率(換金率)で営業しなさい。

ってことになります。

要は、5,000円の特殊景品を獲るのに、パチは1,515発、スロは250枚。
とかはダメってこと。

これだと、パチは3.3円交換でスロは等価になりますからね。

一物に対して二つの価値が定められている。
これは一物二価と呼ばれます。

もっと沢山の交換レートを状況に応じて用意している場合は、一物多価ですね。

先の例だと、一物一価ならパチの3.3円に合わせてスロを6.6枚交換にするか、パチを4円交換にする必要があるわけです。

これは警察庁が2011年に

「一物一価を徹底しろコノヤロー」

というお達しを出したことから徹底されて来た流れがあります。
10年以上パチ・スロをやっている人なら分かるかと。

んで、今回の二物二価。
これは今までの抜け道みたいなもんで、

「一物一価を2つ用意しちゃえば良くない?」

というもの。

要は「パチとスロで特殊景品を分けちゃえば良いじゃん」って発想です。

パチンコの特殊景品はパチンコ玉でしか交換できない。
スロットの特殊景品はメダルでしか交換できない。

とそれぞれ別物として分けることで、一物一価と等価交換(市場価値と一致しているか否かの方の法的義務の話)を実現しているわけです。

これならパチとスロの交換率を別物にしても、一物一価の徹底は成されている形になるので、警察庁的にも文句は言えんって話になります。

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とは言え、現状大阪だけの話

大阪府警の管轄内だけ、この二物二価が認められているのが現状です。

大阪府警と言えば、三店方式を発案したところでもありますし、またこうした抜け道を考え出したか、という感じ。

この二物二価が広まっていくかは、現状では未知数。
なぜなら色々と問題があるからですね。

特殊景品の用意と流通経路の確保

二物二価の場合、特殊景品を新たに用意する必要があります。

多くの場合、特殊景品は大・中・小みたいに3種類あるかと。
ならばそれが1セット新たに必要になります。

これだけなら対応出来ない話でもありませんが、流通経路の確保。
それに掛かる手間と人件費をどうすんの?

って問題もあります。

警察庁との兼ね合い

これに関しては、完全に予想の範疇を出ませんが。
そもそも一物一価は警察庁からのお達しであることは先述の通り。

これに対して、大阪府警だけがある意味で反旗を翻した形とも取れます。

既に警察庁内部で二物二価など、交換率の自由化がまとまっており、それを実験的に大阪でやってみよう。

って話なら問題はないでしょう。

ただ、もしも大阪府警の独断専行であるならば、色々と邪魔くさい問題が生まれる可能性も。

まぁ、実験的にって話の方が可能性は高いでしょうけど。

そもそも、一物一価以外でも違法ではないので、二物二価であっても法的な問題は現状ではありません。

なので、この二物二価が要因となって大阪のパチンコ・スロットが盛り上がりを見せる様な形になれば、三店方式同様、全国的に拡がるかも。

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二物二価はアリ?ナシ?

個人的に、二物二価はアリです。

一物一価の方でも書いた記憶がありますが、パチンコを等価や3.6円前後の交換率で営業するのは難しいのが事実。

等価でボーダー回しているなら、店としては良い店です。
ですが、等価ボーダーの17~9前後だと、ユーザーからすると

「あんま回らないな~」

という印象になるレベルの回転率。
期待値計算も含めて、遊びで打っている人にしては物足りなく感じるでしょう。

満足に、ストレス少なく遊べているとライトユーザーが認識できるのは、回転率が21ぐらいからだと思います。

で、このぐらいの回転率がボーダーになるのは3.3円ぐらいから。

さらに、交換率が等価でないことで、

「もう少し打とうかな。せっかく持ち玉だし」

という気持ちも生まれやすくなります。
遊べている感覚も手伝って、長時間遊技の下支えにも。

スロットの場合は逆かも知れません。

ですが、6号機になって爆発力を出せなくなっている現状を鑑みると、もっと店側が5・6を積極的に使える交換率もアリかも。

まぁ、等価や悪くて5.5枚前後に慣れている今、6・7枚交換をどれだけのユーザーが支持するかは分かりませんけど。

地域性も多分に絡むのでね。

どうあれ、一物一価以外の選択肢がある。
その気になれば二物二価や一物多価での営業も可能。

という状況があるのは悪いことではないと思います。

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まとめ

まぁ、多くの人には現状関係ない話である二物二価。

ですが、もしかすると暗雲垂れ込めるパチンコ業界のあり方を変える、1つの起爆剤となり得るかも知れません。

スペックに合わせて、店が適度な利益を取りながらもある程度還元できる、丁度良いバランスの換金率。

これが実現可能か否か、選択肢としてあるかどうかは非常に大切なことです。

全盛期までとは言わずとも、2011年の一物一価徹底宣言より以前の盛り上がりぐらいまでは戻る可能性もあるのでは?

と思います。

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