普通の日常生活では、あまりこの「期待値」という言葉は使わないかも知れません。
ですが、パチンコ・スロットの世界では頻繁に使われる言葉ですよね?
今回は、このパチンコ・スロットにおける期待値の基本から、その落とし穴まで解説していこうと思います。
「期待値を稼いでいるのに、なかなか勝てない」
こういった人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
期待値とは?
まずは期待値の基本から。
期待値の基本、おおよそのことは分かっている。
というアナタは、ここを飛ばしてOKです。
期待値とはなに?
確率論において、確率変数の期待値(きたいち、英: expected value)とは、確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均である。 確率分布に対して定義する場合は「平均」と呼ばれることが多い。 例えば、ギャンブルにおいて掛け金に対して戻る金額の期待値とは、戻ってくる「見込み」の金額である。
Wikipediaより引用
というのが期待値。
まぁ、これだと少し分かりにくいですかね。
例えば以下の様なオッズのギャンブルがあるとします。
貰える金額 | その確率 |
200円 | 3/5 |
500円 | 1/5 |
1,000円 | 1/5 |
この場合、
「200×3/5+500×1/5+1,000×1/5」
が期待値を求める計算式になります。
なので、このギャンブルの期待値は「420円」です。
・・・多分合ってるはず。
Wikipediaの説明にもある様に、あくまでも戻ってくる金額の見込み。
平均値であることを押さえておいてください。
このギャンブルに参加して、420円貰えることは絶対にありません。
だってオッズに420円が存在しませんからね。
起こりえる全ての可能性を全部ひっくるめて算出されている。
これが非常に重要なポイントです。
パチンコ・スロットの期待値に潜む落とし穴
さて、期待値の基本を分かった上で。
パチンコ・スロットでメディアに記載されている期待値の落とし穴について考えていきましょう。
言ってることは同じですが、パチンコしかしない人。
スロットしかしない人も居るでしょう。
なので、それぞれで別の具体例を挙げて説明します。
パチンコの場合
特に高継続率の台で起こることですが
「継続率80%なのに、単発・ショボ連ばっかり!」
という状況、頻繁に起こっていませんか?
メディアでは平均連荘数5連、期待差玉6,000発オーバー。
と記載されているのに、オカシイだろ!
ってやつです。
これが落とし穴。
ここでいう期待値は、平均連荘数もしくは期待差玉ですが、どちらもこの数値に届くことの方が少ないことを知っておきましょう。
期待値の計算では、起こりえることは全て計算に入れる。
とありました。
ならば、50連や100連の様な、0に近いけど起こるかも知れないことを計算に加える必要がありますよね?
「そんな連荘するわけねーじゃん」
と思うでしょう。
その感覚は正解です。
でも、極稀に30や40連ぐらいなら、80%継続の機種で見たことはありませんか?
アナタには一度もそれが訪れなくても、誰かがその事象を経験している。
メディアの期待値は、こうした極稀に起こる信じられないほどのバカツキ、超絶ラッキーパンチも計算に入れて算出されています。
一度50連が起こった場合、その後11回ぐらい連続で単発を喰らっても文句を言えない。
だって、平均すると5連ぐらいに収まってしまうから。
この様に、期待値は性質上、
「夢のような出来事も勘定に入れてしまう」
という悪い一面を持っています。
当然、その夢のような出来事が起こる確率自体は低い。
ですが、期待値を出す上では無視できない影響力を持ってしまうのです。
スロットの場合
こういう話の時にいつも例として出して恐縮ですが、今回も「GOD凱旋」を例に考えていきます。
凱旋の天井狙いは、等価で600ゲームから期待値がプラス。
ですが、基本的に600から打っていては負ける可能性が高いです。
理由は簡単で、この期待値には
・赤7揃い
・赤7エクストラ
・レアSINによるループ
などなどの、いわゆるレアフラグが計算に入っています。
ここまで言えば、答えは想像出来ますよね?
これらが最低でも公表値通りに引けなければ、期待値は大きくマイナスに振れる。
さらに、天井に到達しても実際にループが取れる確率は40%。
80%ループは5連以内で65%程度は終わります。
もろもろ加味して考えると、600から打って計算上の期待値はプラスで間違いないけど、それを実感するのはかなり困難。
膨大な試行回数が必要で、普通の人が出来る回数ではない。
という話です。
何度3~4万の負けが続こうと、100回200回と繰り返していれば、その内期待値を得ることも可能でしょう。
ですが、ご存知の通り、先に挙げたレアフラグの確率は低い。
中でも曲者なので赤7エクストラ。
こいつの存在が期待値を大きく底上げしてしまいます。
でも引いたことがある人は分かるでしょう?
引けない割に、上手くループ出来ないと話にならない。
そして話にならないことの方が圧倒的に多いことを。
でも、動画とかでもありますよね。
赤7エクストラで30個乗せて、万枚ほぼ確定みたいなの。
あんな滅多に起こらないことも計算に入れて、期待値は算出されます。
こうした期待値の事実を知って、まだ600から打つ気になりますか?
余談ですが、鉄拳デビルがどっから打っても期待値プラス。
みたいな話が一時期ありました。
当然そんなこと現実にはあり得ないんですが、期待値計算の上ではそうなるのです。
これはフリーズの80%ループが上限なしで、極めて薄いけど数十連以上する。
という計算を行った結果でしょう。
期待値の落とし穴とどう向き合うか?
パチンコ・スロット業界では
「嘘じゃないけど、事実誤認を誘発するようにして射幸心を煽る」
これが日常茶飯事です。
是非を問うわけではありません。
期待値の話も、ここまで解説してきた部分を知っていなければ、それを鵜呑みにして
「期待値プラスのはずなのに!」
と言いながら負け続けることになります。
ではどうすれば良いのか?
答えは簡単です。
「メディア記載の期待値は参考に止める」
自分の物差しを作っておきましょうって話です。
ちなみに凱旋なら私は900以上。
先述のレアフラグは一切引けないものとして考えています。
本来は引けないものとして考えるのもオカシイのですが、それぐらいディフェンシブに考えておく方が無難。
天井ストッパーだって絶対に無いとは言い切れません。
私がサブを解析していない以上、断言は不可能です。
パチンコの場合のボーダーも同様。
打つ人それぞれの技量で変わってきますから。
自分の技量、打てる時間や環境などを考えて
「自分の場合は期待値がどこからプラスになるのか?」
を実践と経験から考えれば、期待値の落とし穴にハマらなくて済みます。
あぁ、以前の確率は収束しない。
って話と同様に、期待値にも収束する力はありません。
永遠にマイナスの機種もあるでしょうし、思った以上のプラスでサヨウナラする機種も出てくるでしょう。
まとめ
期待値は「無限大の可能性」も含めて計算してしまうので、その実態。
実感とは離れることが起こります。
無限大の可能性も考慮して計算された期待値は嘘ではありませんが、その事象に出会えるかどうかは運次第です。
特にパチンコ・スロットの場合は稼働時間や期間が様々な要因から限定されることも少なくありませんよね。
試行回数が限定されると、さらに理論上の期待値と実感の乖離が進むことになります。
メディアの情報を鵜呑みにするのは危険ですよ。
と常々書いていますが、特にこの期待値に関しては慎重に向き合いましょう。
パチンコ・スロットの場合は無限大ではありませんが、似たような話。
期待値の基本を動画で知りたいなら以下の動画の解説が分かりやすいかと。